悪目立ちたくない、って話をすると「誰もお前の事なんか気にしてないから。自意識過剰」と非難が飛んで来がちだが、少し違う。
他人の中で自分に対する「なんだコイツ」という認識が生じるのが嫌なのではなくて、自分の中に「人から見られた」という不快感が発生するのが嫌。他人が実際どう思ってるとか関係なく。フーコーのパノプティコンや権力の内面化といった話のように、内なる他者が発生するのが不快。
人から眼差される不快さというのはジョーダン・ピールの映画なんかでも結構重要なテーマになっている。他者の不愉快な目線は自分の中に潜り込み、本来抱く必要の無かったはずの自意識を増殖させる。
これはもう菌が云々ではなく「穢れ」が嫌というタイプの潔癖と同じで、理屈は分かっても心がそれを拒否する強迫じみた問題だ。
これが極まると糖質に片足を突っ込んでいくんだろうな。