高校3年生の冬になっても引退せずにズルズルと続けていたアマチュア無線部の活動を終えたあと、教室に炊飯器を持ち込み、タイマーをセットした。
高校3年生のクリスマスに、石橋君は準備した。男6人の味気ない部室で。学年1位の彼はストレスに苛まれていたのだと思う。
始終を知りながら止めなかった俺も悪いと思う。数日前、学校近所のゴミ捨て場で炊飯器を拾った石橋君が、変な笑みを浮かべていたのを見過ごした。あの時思いついたんだろう。部室でせっせと修理しているのも遊びだと思った。近所でウンコ拾ってきたのもストレスでちょっと壊れてるくらいだろうと思ってた。
投稿時刻に合わせたタイマーで、煮えたぎる犬猫のウンコ。ひょっとしたら、石橋君の尿も入っていたんじゃないかと思う。
教室は学期末を目前にして変更。男子も女子も大パニック。犯人探しの噂は、特別進学クラスに嫉妬した一般クラスのやつだと決めつけられて進んだ。石橋君は何も語らず、ずっとニヤニヤしていた。