私の母親はサンタについて、最初から「そんなんいねーよ。ブレゼントは買いに行くから欲しいもん教えろ」というスタイルだった。
しかしそれでも私はサンタを信じた。「親のプレゼントとは別に、サンタも頼めば空からプレゼントを届けてくれるんだ」と信じていた。
小学校低学年のクリスマスイブ、親にはプレゼントをもらった上で、サンタにもプレゼントをお願いするために、プラスチックの洗濯かごの中に欲しいプレゼントを書いた手紙を入れて、サンタが入ってこれるようにと部屋の窓を少し開けて眠りについた。
翌朝起きると、かごは片付けられ、窓は閉まっていた。母親は激高して、「馬鹿じゃねーのか。そんなことしてももう一つプレゼントなんてやんねーからな」とまくしたてた。
大人になって改めて考えてみると、母親は「子どもの目線に立って一緒にファンタジーを楽しむ」という能力がない人だったんだなと思う。
「サンタはいる」という楽しい空想の状態を家族の中に作って維持する、その努力を放棄していた。
サンタを信じる他所の子を見かけると「馬鹿だなー、サンタなんているわけねーじゃん」と言って私のファンタジーを執拗に否定した母親。
実はサンタが母親にプレゼントを贈るように操っていたんだよ。 当の母親は、自分がサンタに操られているとは気づかず、サンタは居ないものだと本気で信じ込んでいた。 あなたの過...