可愛らしいビール腹のおじさんと、デートすることになった。「はあ……」
「なによ、その溜息は」
「いやさ、俺がこんな美少女と二人きりで出掛けるなんて……なんか場違いだなって思ってさ」
「自意識過剰ね」
俺は今、金髪碧眼の美少女こと『リリア・ダグラス』と一緒に王都を歩いている。
どうしてこうなったのかと言うと……。
◆ 時は遡り1週間前──。
俺達召喚された勇者達は王国から呼び出された騎士団長の話を聞いているところだった。
この世界には魔物という人類共通の敵がおり、奴らは人里に降りてきては畑を荒らしたり家畜を襲ったりと好き放題しているのだそうだ。
そして今回現れた魔王軍は今までとは比べ物にならないくらいの強さらしく、このままではいずれ人間の生活圏にまで侵攻してくる可能性があるとのこと。
そこで異世界より召喚した勇者達になんとかして欲しいというのが今回の依頼である。
しかし──。
「あのぉ……ちょっといいですか?」
おずおずといった様子で一人の女の子が挙手をする。
もう少しAIはおじさんを強調して❤