2021-09-26

ストーカーがいない

最近ストーカーがいない。

この1年間最寄り駅で毎日のように待ち伏せされて家の近くまでつけられていた。

ストーカーは話しかけてはこない。けれど、たまに手紙を渡してくる。無視すると、前に回り込んで来て鬱陶しいから受け取る。

家で開けてみたら盗撮された私の顔写真に好きって赤のサインペンで書いてあった。きもかった。

いつか刺されるんじゃないかと思った。

最初ストーカーが怖かった。外に出るのが嫌になったし、人が信じられなくなった。警察にも相談した。防犯ブザーも持った。

でも、いつの間にか慣れてしまった。

ストーカー危害を与えてこない。駅から家まで真っ暗で人もほぼいないが、特になにもされたことはない。

気づけばストーカーは私の生活の一部になっていた。

去年、私は受験生だった。毎日つらかった。思うような結果が出なくて自分には生きる価値なんてないんじゃないかと思ってた。

あの頃の私はおかしくなっていた。

いつからか親が認めてくれない、勉強出来ない私を好きだといってくれるストーカーが少しだけいい人にみえ始めた。

今、ストーカーがいなくなってとても安心している。でもその一方で少しだけ寂しい。

  • 幻想じゃないのかね 子供のころ隣にいた妖精さんが大人になっても見えているだけだ

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