禁酒をしている。と言ってもやっと3週間目だが。
これまで毎日のように酒を飲んでいた人間にとって3週間の禁酒はとても長いようで、体が少しずつ酒を飲まない人間のものに近づいてきたのか、大きな変化がいくつも現れて困惑している。
どこの禁酒ブログにも書いてあるような体調の変化については省略するが、最も大きな変化について書きたい。
食欲、性欲、金銭欲、そして何より承認欲求。それら醜い欲求が酒を飲んでる時に比べて明らかに増している。
これまでは1人でいる無為な時間の寂しさを酒が誤魔化し、スキップしてくれていた。翌日もその翌日も寂しい人間であることは変わらないのだが、その事実を直視せずに済んでいた。
酒を飲まなくなり、自分が如何に寂しい人間であるかを直視せざるを得なくなって、その結果なのか承認欲求が凄まじい。
昔ながらの宗教が酒を厭うのは酒を飲みたいという欲求と戦うためでなく、酒によって誤魔化されていたもっと強力で多様な欲求と正面向かって戦うためなのかと気づいた。
これまでは承認欲求を満たすために異性を求めたり、SNSに時間を費やしたりする人間を馬鹿にしていたが、どうやら本来の私はそちら寄りの強欲な人間であったらしい。それをアルコールが包み隠してくれていたようだ。
そして社会には酒も飲まず、異性やSNSにも居場所を求め過ぎない、依存していないような人間が数多く存在している(ように見える)。
酒を飲まずに1人の時間と戦う彼らの凄さを讃え、もっと多くの人に認識して欲しい。彼らはかつて宗教の中で欲求と戦った聖人と同じくらい立派な人間だ。
慣れよ慣れ。オレは4年近く経つけど正気でいられること自体が快適だと思うんだよな。