とある部屋(旅館のような場所)で、私は気になる人(女性、以下Aさんとする)を見かけた。
それはある朝のこと。
従業員である私は、なんとかしてAさんに声をかけたいとタイミングを見計らう。
ニアミスするたびに目が合う、合いそうになる瞬間が何度かあったがそのたびに目をそらされ、すれ違おうとする瞬間に声をかけようと画策するもそれを察知して私を避けるかのごとく歩く方向を転換する、などといった状態が続き、もうダメかなぁと諦めかけたとき、あるタイミングで多少無理矢理感はありながらようやく「Aさん!」と声をかけることができた。
声をかけられたAさんは少し驚き戸惑いながらも返事をしてくれた。
しかしAさんと思って意を決して声をかけたその人は、振り向くと全然別の、しかも女性ではなく男性だった。
私としては見知らぬ男性に用はないのでその場を立ち去りたかったが、従業員として声をかけた以上は何か話さないと失礼だと考え、元々Aさんに聞きたかったことをその見知らぬ男性に尋ねた。
そしてその回答に「?」となったところで目が覚めた。
補足
・Aさんはそのお客様
・Aさんは頻繁に利用してくれていた
・黙々と事に取り組むAさんに一目惚れしていたが、従業員という立場上表立って話しかけることを躊躇っていた
・このたびAさんは当施設を離れることになった(理由は"引っ越し"とのこと)
・多分結婚して家を出るから引っ越しなのだろうと勝手に推測している
・私はAさんの姿を見ることすらもう二度とかなわない(どっちにしても結婚したならもう手は出せないし)現実を前に、もう少し積極的に声をかけにいかなかったことを後悔している