ベランダから侵入してきた蝿がなかなか出ていかないまま2日経った。とにかく鬱陶しいので外へ追い出すか叩き潰すかしたかったのだがどうやっても捕まらなかった。
あまりにも出ていかないので夫が「こいつはもう俺達の家族なんだよ。ぶぶりんと名付けよう。」と言い始めた。ぶぶりんはベルゼブブからとったらしい。蝿ごときになぜそんな愛らしい名前をつけるのか。
娘6歳にも「蠅に名前つけるのどう思う?」とふってみたが「家族だからじゃなあい?」と順応していて、私だけがぶぶりんを受け入れられてなかった。
それが昼のことだったのだが夕方とうとう目の前を蝿がぶんぶん横切るのに耐えきれなくなった私は夫の自動車運転教本を丸めてぶぶりんを追いかけまくった。
ぶぶりんは弱っているからちょっと反応が鈍くて空中で何回か触れることができるのだが私の動体視力がクソすぎるせいで何度も途中で見失いなかなかとどめを刺せない。しかも静止したぶぶりんに狙いを定めサッと腕を振り上げたときに家具の角に小指をぶつけて皮が剥がれてしまった。
いったん諦めて夕飯の支度に戻ったとき、リモワしてた夫が台所に来て、冷蔵庫の表面でぶぶりんが休憩していることを教えてくれた。「ぶぶりんはママが料理を作ってるところを手を擦り合わせて観察してるよ。」
私は油断ぶっこいてるぶぶりんめがけて一閃、丸めた車の教本を振った。ぶぶりんが一瞬視界から消えたのでまた失敗したか…と思ったが足元をよく見てみると震えるぶぶりんがそこに落ちていた。もう一度強く教本で叩き潰し、教本ごとゴミ箱に捨てた。慈悲は無い。短い間だったけど、私達家族だったね。何度も触れ合って何度もすれ違って。ぶぶりん、5時16分永眠の瞬間だった。
ブブリンスレイヤーじゃん
リモワって呼ぶんだ
こういうのでいいんだよこういうので 書いてるうちに自己陶酔して当時おもってもいない脚色を加えるのはほんと愚かだわ
このトラバはな、そこのお前、鈍行で人生の意味はわからなかったの最後の一文で台無しにした増田にいってんだよ