食の趣味なんかもあって、何度か食事をした後、話の流れでカラオケにいこうという話になった。
私はあまり乗り気でなかったが、彼はカラオケが好きらしく、手を引かれて恵比寿のカラオケ屋に行った。
デンモクを楽しそうに見る彼の伏した目はやはり綺麗だし、歌が始まるまではとても好きだった。
しょっぱなからこの選曲かと思いつつ始まった歌は、微妙に音痴だった。
しかもなんか歌い方ボーカルに寄せてるのかもったりした発声でよくわからないけど私が恥ずかしくなって逃げたくなった。
あのボーカルはあの声質だから成立しているのであって、そうじゃない人があの歌い方するとなんかもったりして微妙なんだ。
それから2時間、8割型彼が歌い続けて、部屋を出るころにはすっかり彼への気持ちは冷めていた。
完全に盛り上げ役に徹してたらなんとも思わなかったかもしれないけれど、
変にひとりで盛り上がって、歌手に歌い方寄せてしかもそれが微妙に音痴となるとどうしても冷めてしまう。
きっと前世は鳥だったんだな