学生時代、住んでたアパートの廊下(中庭のようなものがあって建物の内側に廊下がある構造だった)でゴキブリを見かけ、絶対に俺の部屋に来ないで欲しい!と思い追い払おうとしたことがある
サンダル履きだったから踏み潰すのは嫌だった そもそもサンダルじゃなくても踏み潰すこと自体嫌だが、サンダルだと万が一仕留め損ねたときに足を這い回られる可能性があるなと思い、それはできなかった
かと言って他に武器もない
とりあえず足を踏み鳴らし、音と振動でビビらせて追い払う作戦に出た
しかし安いゴム底のサンダルだから片足でぱんぱんやっても全然迫力が出ない
俺は反復横跳びのような動きをし始めた
と、そこでアパート共用のランドリーコーナーに来た知らない女の子が階段から現れた
ヤバ…という顔をしていた女の子は合点がいった顔になり、「がんばって下さいっ」と言って消えていった
手伝えよ!お前もここの住人だろ!と多少思いつつ、部屋から食器用洗剤を出してきて垂らそうとした記憶がぼんやりある
結局外に逃げられたな あるいは平和裏に解決できたというべきか
青春の淡い思い出だ
淡くはねえな
甘酸っぱい思い出だね。 ただし果物じゃなくて酢味噌。