「バーチャルyoutuberとして真に偉大なのはねこます氏」と私はずっと言ってきたけど、多分ねこます氏の存在はフィクトジェンダー史においてもターニングポイントになるのだろうな。「推しになりたいと嘯くオタク」なる存在はそれまでも散見されてはいたが、あくまでジョークの域を出られなかった。コスプレという深い歴史を持つ文化とも合流することなく、「二次元」であることに拘る人々のジェンダーはこれまで可視化されてこなかった。ねこます氏はそれを実際に形にしてみせ、多くの人々にジェンダーとファッションの新しいあり方を、自分の肉体を媒介しない方法を提示した。「やれる」ということと、「やっていい」ということを証明した。セクシャリティの教科書、ファッションの教科書を今後作るなら、載せるべき人材だと思う。