デフォルメされた猿が手足をくくられた姿をしている人形。猿は過剰な欲望を表す姿であり、欲深さは願いが叶う道を妨げるものとされる。ゆえに、縛る。
京都の八坂庚申堂のものが有名で、最近はインスタグラムでも有名になった。
ちなみに、よく似たサルボボは飛騨地方のもので、源流は貴族のお守りだったらしいのだが、時代が下るにつれてこちらも庚申信仰と結びついた。天帝に人間の罪を密告する体内の存在、三尸の天敵である猿を飾り、寿命を縮めるような報告をされるのを防ぐ意味があるとのこと。奈良にも、ならまち庚申堂の身代り申というものがある。それぞれ形が違う。
余談だが、「見ざる言わざる聞かざる」のシャレが日本語でしか通用しないものだから、いわゆる三猿は本邦独自のものかと思っていたが、世界的に分布しているらしい。驚いたことに、マンハッタン計画の参加者向けにも秘密を守るよう忠告する姿が描かれている。