孤独には慣れているつもりだった。
幼い時から片親で、親は私が学校に行く前に働きに出かけ、帰ってくる前に夜のバイトに行っていたから独りの時間を過ごすことは多かった。
一人暮らしを始めてからも、恋人はいないし友人もそんなに多くはないので休日は大体ひとりで過ごしていた。
多分アセクシャルに近く(これからどうなるかわからないので、「多分」)恋愛や結婚に興味が薄く、恋愛経験はない。一生独り身で生きていくのは平気だと思っていた。
本当にずっと誰にも会わないなんてことをイメージしたことがなかったんだと思う。
在宅勤務が始まり、遠く離れた実家に帰ることも許されない状況になって初めて、自分の今までは全然孤独じゃなかったんだと思った。
会社に行けば特別親しいわけではなくても、会話を交わせる相手がいた。
外に出てウィンドウショッピングを楽しむとき声をかけてくれる店員がいた。
少ないけれど、特別な用がなくても気軽に会える友人がいた。
孤独って、こんなに凄まじい速さで心を蝕んでいくんだな。グーッと胸が押されていくような、鈍い辛さ。
これでもまだ、オンラインで顔を見て話せる相手がいるから、本当の孤独ではないんだと思うとこれから先を思ってゾッとする。
寂しいな。
なら、おっちゃんと家族になるかね。
家族× 暴走族 〇