ここにいては座れないからと言いながら優先席の前に潜り込んで来た
が、すし詰め通勤電車で席は空かず
おばあさん達は小さい体で文句を言いながらも人の波に耐えていた
一方のおばあさんがもう一方にしきりに話しかけている
乗り換え駅で席が空き、よく喋る方のおばあさんがもう一人に促した
2人を見てみるとお節介なおばあさんは髪も白髪で、椅子に座った方は黒髪で、世話を焼かれている方が若く見える
とはいえおばあさんではある
なんだろ、友人同士なのかな?満員電車に慣れてない友人をフォローしているのかな、などとまた想像する
よく喋るおばあさんはもう一人にずっと世話焼きな発言をしていた
「◯◯駅だから8時35分くらいよ、寝ないようにしなさいね」。
世話焼きお喋りのおばあさんはターミナル駅で先に降りて行った
降りるときに席に座っているもう一人のおばあさんの頬を強めに撫でて
しっかりね、とでも言うように
あれ?と思った
友人というには距離の近すぎる振る舞いだな
その後、もう一人のおばあさんは席に静かに座っていた
どこで降りるかははっきり聞いてないけど、8時半過ぎなら私の乗換駅より手前だろうか
寝たら起こした方が良いのだろうかなどと思っていたが
起きているようなので安心し、手元のスマホに視線を落としていた
と、おばあさんが何か喋っている
一人で何か言っている
が、すぐに無関心な空気に戻った
ああそうか、母娘か とようやく理解した