コミティアで本を出している。
そのなかでも忘れられない出来事があったので書いておきたい。
ふらりと現れたその方は、最近小説どころか漫画を読むにもアニメを見るにも集中力が続かなかったこと、
それでも私の本(小説)は夢中になって最後まで読みきったことを懸命に伝えてくださった。
頭を殴られたような衝撃を受けた。
ついで、その場で崩れ落ちて泣き出してしまいたくなった。
こんなに嬉しいことがあるだろうか。
こんなに、書き手冥利に尽きることがあるだろうか。
だって私も身に覚えがあるのだ。
漫画やアニメ、小説を読んだり見たりするのに集中力が持たないというのがどういう状態なのか。
だからこそ、そんな状態の方に届くものが書けたことが本当に嬉しかった。
書いていてよかったと、心から思った。
その方の名前は分からないし、もう顔も思い出すことも出来ない。
その気持ちだけをずっと燻らせている。
もしかしたらその後のイベントでもスペースに来てくださっていたかもしれないけれど、
あの時お名前だけでも伺っておくべきだった。悔しくてたまらない。
2016年8月、COMITIA117にてフーシェのゼリーの詰め合わせを差し入れしてくださった方。
あのときは本当にありがとうございました。
頂いたお言葉、一生忘れません。