「あぁ、夏だなぁ……」というほのぼのとした思いと
「誰だ車内に持ち込んだやつw」という思いが入り混じっていた。
私は蝉が苦手だ。
小学生の頃は触れたのに、いつの間にか触ることも出来なくなってしまった。
触って加減できずに潰してしまったら怖い(汚い、えぐい)という思いがあるかもしれない。
本題に戻ろう。
サラリーマンが座った。
サラリーマンが座ると、近くに座っていた女性がギョッとした顔で見た。
サラリーマンの右肩を見ると、ポケモンでもなくオウムでもインコでもなく
ミーンミンミンと自己主張を続ける蝉が乗っていた。
片手でしっかり掴み、そのまま手元で眺めていた。
「ミーンミ……ジジッジジッ……ミーンミンミン…ジジッ」
「蝉が飛んでこない!あのサラリーマン連れてきちゃったのね」というほのぼのして良い光景に変わり、
私の降りる駅になると、同じくサラリーマンも降りて
スッとホームの柱に蝉をつけてあげていた。
ところで、蝉って何で急に触れなくなったりするんだろうね?
同じようなことにあったら掴まえたい思いはあるんだけど何だか怖くて触れないんだよなぁ。
ズボンの股にメスの蝉がついたことある私からしたら、対処法が知りたい。
恐怖心に負けずに触ることだろうか。
ミーンミンミン!ゼミ!
そういや中学生になって虫から離れたら触れなくなったな。
飛んで水いる夏のネコ