それは私のわがままなのかもしれない。
現在35歳。最近友達、親戚の子ども達に物心がついてきて、会話することが増えてきた。その時一人称は「おばちゃん」と言うようにしてるんだけど、毎回毎回必ず子どものお母さんに「おばちゃんじゃなくてお姉さんて呼ぼうね〜〜〜」と訂正されてしまう。
わかっている。自分の子供に「おばちゃん」と呼ばせるのは失礼だと思うんだろう。わかっている。でも心の何処かが妙にモヤモヤする。
私の両親は30、40歳を過ぎてから結婚した。不妊治療の末に母が私を産んだのは42歳のとき。父は50歳だ。
両親が周りの親よりうんと歳をとっていることは、なんとなく分かっていた。でも、私は両親よりうんと歳下の人たちを「〇〇ちゃんのおばちゃん!」「△△くんのおじちゃん!」と呼んでいて、周りの人達もそれに返事をしてくれた。
失礼だったと思う。でも皆、幼い私の感覚に合わせてくれていた。温かかった。
確か7歳頃だったと思う。親戚の家に行くことがあった。車の中で私は母に初めて「今日はおじちゃん、おばちゃんって言わないこと」と言われた。
向かった家に居たのはすでにアラフォーになった従兄弟達だった。明らかに、〇〇ちゃんのおじちゃんくらいに見える人達を、私は初めて「にーちゃん」と呼んだ。私がにーちゃん、ねぇちゃんと呼ぶ度に、従兄弟達は大喜びした。なんだかとてもモヤモヤしたのを今でもはっきり覚えている。
親の気持ちもわかる。従兄弟をおじさんおばさんと呼ばせてはいけないことは分かるのだ。でも当時私はそこらへんの分別がついてなくて、ひどく混乱した。
「おばちゃんじゃなくてお姉さんて呼ぼうね~~」が始まる度に、それを思い出す。