祖母はもう4年前に亡くなっている。
母は出ていき、父も家を空けがちだった家で、両方の役割をしてくれていた祖母はシャンとした立派な女性だった。そんな祖母の死に目には会えず、葬儀にも出れなかった。そのためか良く夢に出てくる。
夢の中で、『これは夢だ』と認識できるときがあるが、今回は見破れないなかなかに再現度が高くて現実のような夢だった。ずっとざわざわしているのが妙に現実的だった。視界はずっと微妙にモヤがかかっていた。
立ったり座ったりしてたわけでもないのに、自分の目線が祖母より低くなったり高くなったりしてた。祖母に対する思い出をつなぎ合わせたかのよう。
祖母に怒られる。
部屋の片付けが行き届いていない事を怒られる。漫画が散らばってる。
日常がすすむ。
でも、話がずっと少しづつ噛み合わない。
唐突に怒ったり、さっきできていた事ができていなかったり、急に私の事がわからなかったり。
それは、認知症の症状に似ていた。
知識があってケアできるはずなのに、認知症のようだと理解しながら、うまく対応できず、喧嘩したまま、祖母の怒りつつも悲しげな表情をあとに目を覚ました。