中学校の頃、今をときめく趣味兼職業としての憧れからプログラムを始めたんだ。でも、大学を選ぶ頃になったらITバブルが危うくなってきてね。とりあえず情報工学メインじゃなく電子工学方面に逃げたのさ。
それから3年ぐらいは片手間にプログラムを組んでたんだけど、所詮は片手間だったよ。いざ本格的に取り込もうとすると電子工学のオマケみたいな物ですら才能のある同級生に敵わなかった。それで全部嫌になってIT系もメーカーも諦めて別方面に行ったよ。
それで良かったと今は思ってる。
あのまま自分の理想と現実のギャップに挟まれ続けたら自分で自分を壊していただろうからね。
結局僕がなりたかったのは、他の連中とは一味違うイケてるIT系だったんだよ。イケてるっていう肩書のためにITに憧れただけで、相性がいいわけでも適正がある訳でも好きなわけですら無かったのさ。それでも中学校ぐらいまでは周りにまだプログラム組んでるライバルがいなかったら調子に乗ってられたんだろうね。夢を見れていたんだよ。悪い夢、いや、いい夢を見ていた。
イケてるIT系は期間限定で、ガチ勢にボコられると名乗るのが難しくなるんだ。
そんなこともっと早く気づけばよかった。