アイドルの熱愛でファンをやめる人へ、やめないファンが愛が足りないということがある。
愛がすべてを受け入れるということなら、確かにそうだろう。
偶像を愛していることを。
といっても極端なことを言えば、現実に人間関係のある他人だって虚像とも言える。自分以外の人間は虚像でしか把握出来ないものかもしれない。
しかし、現実の関係には、約束がある。親しくなればなるほど、お互いが嘘をつかないように努力するのが一般的だ。それは多くの人が認めるところだろう。
アイドルという名のそれは、虚像だ。大勢で事実に限りなく近く見える演出をして虚像を作り上げている。
ファンはそれを見て、自分の中の利己的な面を反映しながら都合のいい偶像を作り上げる。
それは、愛しいだろう。
偶像である所以は、実在して目の前に姿を現すこと。虚像をその身にまといながら、大勢の偶像投影を壊さない振る舞いをする。
それがアイドルだ。
アイドルへの熱愛は、半分は自分への愛だ。それは悪いことではない。だからアイドルファンは元気な人が多かったりする。