僕の職場は外国人が多い。80人くらいの同僚がいて、日本人は20人くらいだ。
日本人は始業前には準備を始めている。日本以外の出身の人たちは始業と同時にやってきて、まず喋る。そのあと朝のショートミーティングが終わってからはコーヒーを入れて、本格的にしゃべる始める。ときどき僕も仲間に入るのだけれど、5分も輪にいるとうしろめたさを感じる。
外国籍のみんなは昼休み前にご飯に行き、昼休みが終わってからコーヒー片手に帰ってくる。もちろんそのあとはコーヒー片手にまた喋っている。そして終業時刻になるとさっと帰っていく。日本人だけが遅くまで残っている。遅くまで残っているのは日本人だけだ。
彼らにあこがれる。かといって彼らの仕事が粗いわけでもない。単に、与えられる仕事にたいして「無理」としっかり答えるだけだ。上司が何と言おうと無理な仕事は絶対に引き受けない。奴が得意だその仕事は、だと解決策は添えて断る。だが、上司は日本人にそれを投げる。僕ら日本人は受け取って、長時間労働に突入する。これをみて仕事を断った彼が申し訳なく思うことは無い。断ったのは彼の権限のうち、それを認め、日本人にアサインしたのは上司、振られた仕事を受けたのは僕たちの責任だからだ。できないことをできないというのも責任の範疇だと教えられた。
結局、日本人の職場を改善する唯一の方法は、管理職以上から日本人を取り除くことなんだ。これほど外国人が働いているのに、管理職は日本人ばかりだ。外国人はそれに不満かというとそうでもなく、断れば唯々諾々とひきさがり、首にもしないマネージャーなんて楽で仕方がないという。
ことうちに限った話ではあるけれど、一刻も早く日本人じゃない管理職を採用してほしい。ぜったい変わるだろう。無理か。いや、変わるだろう。