中学2年生のある日、帰ろうと思ったら筆箱の中に小さな紙が入っていることに気がついた。
その手紙には「音楽室の前で待ってます」と女子の字で書いてあった。
よく聞くアレだ、あの例のやつだ、とデブメガネの僕は柄にもなく舞い上がってしまった。
しかし、しかし。持ち前の警戒心もとい卑屈さで僕はすぐに気がついた。
コレはクラスのイケてるメンバー達によるイタズラに違いないと。
音楽室に行ったら誰もおらず陰から写真でも撮られて一生笑いものにされるのだと。
行かなくて正解だっだ。
今では痩せてコンタクトにして髪形も整えて身だしなみには気を使っているしあの頃とは容姿も容姿に対する意識も
ガラリと変わったが恋愛においてこの頃の精神状態をいつまでも持っている。自分に好意を持ってくれる人などいる
はずがないと。
いたとしたらそれは裏に何か別の目的があってのことだと。つらい。