真面目に答えず、出来る限り嘘と虚構を織り交ぜて答えていきたい。
「要因」や「責任」など、それらは必ずしもイコールではないからさ。
仮に、空き巣の侵入を許した家はセキュリティがザルだったとか、暴漢に襲われた女性は露出度の高い服を着ていたとか、それらを百歩譲って因果関係があるとしよう。
それでも、それを「不用心」と表現することはできても、責任の是非を問うのはお門違いだ。
刺された最大の要因は加害者の是非であって、これは被害者の側面から見れば「不幸」とするのが妥当だろう。
まあ、他に要因らしきものと括ろう思えばいくらでもできるが、それは本質ではない。
つまり私や君がこれまで無事なのは、別に用心深いからだとかではない、ということだ。
そりゃあ、要因を減らすようにすることは大事さ。
でも、あらゆる状況を想定してそれらを完全に排除することは物理的に不可能だ。
短絡的な因果関係で不運を避けられるのなら、誰も苦労はしない。
まあ、その要因を減らす努力を怠ったことにすら責任が伴うと思うのなら、好きにすればいい。
万全を期した上で、それでも刺されたとして、その時「仕方ない」ことだと割り切れるならば、それは君の自由だ。