送り人の娘を読んだ。ちゃんとまとまった古代ファンタジーではあるんだけど、何か物足りなかった。小中学生には進められそう。
なんていうのかな、登場人物が与えられた役割以上の演技をしていない感じが強かった。ラノベだと逆に濃ゆすぎてくどく感じられるんだけど、この作品はあまりに淡白なので拍子抜けしてしまった。
また後半の展開がスピーディーすぎる。あれよあれよというまに窮地に陥って、流されるままの主人公が最後には決断するんだけど、悲観的な結末が超人的な恩赦によって回避されるもんだから、なんだかなって感じた。
でも闇真のキャラ設定は好き。エピローグでの挟霧が見せたうろたえなんて微笑ましくさえあった。
総じて十三歳という主人公の年齢に即した児童ファンタジーだったって印象。もっと大人の思考ができる登場人物がいれば深みが出たんじゃないかなあって思った。