ひと目でどちらの患者かわかる状況だった。
悲しいかな性別を超えようとする姿形を持とうとするのは常人には難しく
それだけで判別はつくのだけれど、これとはまた別の見かけの問題があって。
心療内科と女性の心を持つ男性GID患者はひとりで訪れていたけれど
女性GID患者は周りの目を気にせず、付き添いの女の子とイチャつきながら
かろうじて生やしている薄髭、わざとらしく足を広げ、オラついたがさつな言葉づかい。
そんなステレオタイプな男っぽさは、より違和感を目立たせただけだった。
一方、相手の女の子はアンバランスに見える男性像を全肯定するかのように
あたしの彼はかっこいいでしょアピール全開。
周りにもバレず、ごく自然に普通のカップルのように過ごしたいのが
彼女ら本来の望みだとしたら、そんな三文芝居は全く必要ないどころか
まさに悪手on悪手。
本人がそう振る舞うことで 精神的なバランスを保っているところを 無理やり矯正しようものなら、バランスを崩して病んでしまうのがオチではないかと。。