可愛い子とヤリたいっていう欲求、つまりは恋愛は「愛欲」から始まり、やがて「欲」が抜けて「愛情」になり、「愛」が抜けて「情」が残る。
さすがに「ヤリたい」とは言ってないけど、祖父が残したこの言葉遊び的な恋愛観のおかげで僕は恋愛至上主義にとりこまれなくてすんだ。
長いこと付き合ってるから、もう欲からくるドキドキでスリリングな摩訶不思議アドベンチャーへの期待だったり、不安や嫉妬はないけど、長いこと好きでいる人間が与えてくれる、その人のことをたくさん知っているという安心感だとかが愛情なんだなあと感じるようになってきた。
なのに!
なのに、今更「なんか昔はもっとドキドキしたけど、最近はしない」とか遠まわしに回数が減ってきているとか、何なの?無理だよ、もう僕が君に持つ欲はないんだよ。残念ながら。
あとはこの愛情という感情がすごく長い期間で蒸発していって、最後には情になって「あの頃はー」なんて互いに達観するのみだ。でもそれでも互いに面白おかしく笑えてればいいじゃんって僕はそう思ってるんだけど、その程度のものじゃないの?恋愛って。