2014-12-13

対立の諸相

ミステリ小説の謎解きですら明快に推理できる人は稀少なのに、現実世界の複雑な問題論理的にきっちり論じることができる人などそういるものではない。

きっちり白黒つけられないから、まくしたてや暴言や決めつけで何とか押し切ろうと双方必死で見苦しいことこの上ないが、それも仕方の無いことなのだろう。

特に不特定多数の見識か思考力のない人だらけの場においてはなおさらである

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例えば、ある人物がある行動をとってそれが悪だと叩く人が出てきて、その是非を争う対立が起きる。

裁判プロセスを見ても分かるように、是非を正確に判定するには証拠事実を入念に集めなければお話にもならない。

1つの証拠だけで善悪を断定できることはまず無いものと思ってよい。もしそんなものがあると思ったとしたら、そこには何らかの思い込みが隠れている可能性が高い。それは賢明なるミステリ読者の諸君ならばよく分かっているであろう。

多くの場合、沢山の証拠の中から選ばれたいくつかの証拠の思わぬ組み合わせにより決定的な結論が導かれるものである

また、別の多くの場合では沢山の証拠をどのように組み合わせても完全には誤謬否定できない。このように蓋然性が最高なだけで断定はできない場合、まくしたて等の力技を使われ敗北を喫することも多い。

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