「ライター」は「エッセイスト」でも「コラムニスト」でもない。もちろん、ときには発注に応じて、エッセイやコラムを書くこともある。しかし、その仕事の大半は、編集者が設定したテーマに則して、資料を読み、取材を行い、掲載媒体に必要とされる文章を書くことである。
ブログというのは、もともとの意味では日記を投稿するシステムであったはずだが、現状、日本ではエッセイや、流行のネタに反応したコラムを掲載する場として機能している。つまり人気ブロガーというのは、エッセイやコラムで人気を獲得している人、という意味であり、それがライターとしての職能の高さを証明することにはならない。資料を集め、読み込む力、取材力はブログの記事から窺い知ることはできないからだ。
さらにいえば、ブログにはリテイクがない。先にも書いたように、ライターの仕事は、「編集者が設定したテーマに則して」「掲載媒体に必要とされる文章を書く」ことなのだ。そうした、柔軟なコミュニケーション能力があるかどうかは、ブログだけでは判断ができない。
ようするに、「面白いブログの書ける人はライターになればいいのに」という、巷間よく目にする物言いは、端的に間違っている、ということだ。
……そんじゃーね!