先日ブクマを賑わした「「噴飯物」 正確な使用は20% NHKニュース」という記事は,文化庁の次のレポートが元になっている。
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/yoronchousa/h24/pdf/h24_chosa_kekka.pdf
同レポートでは次のような指摘が為されている。
「役不足」は,本来の意味を選択した人の割合が平成18年度には14年度から13ポイント増加したが, 今回の調査では,18年度と比べて余り変化がない。「流れに棹さす」は,本来の意味を選択した人の割合が調査のたびに少しずつ増加してきており,今回の調査でも,平成18年度から6ポイント増加している。しかし,「気が置けない」は,3回の調査を通して本来の意味を選んだ人の割合に余り変化がない。(21頁)
また,同レポートでは24年度調査での年代別正答率(なお,レポートは注意深くも「正解」という概念を用いていないが,このエントリでは「正解」があるという思想を前提とする)は載っているが,年代ごとの正答率変化は掲載されていない。
もっとも,同じ言葉について継続的に調査されているから,10年前のレポートにおける年代別正答率を参照することで,年代ごとに10年で誤用を改めた割合が求められる。平成14年度調査結果は下記。
「文化庁 | 国語施策・日本語教育 | 国語に関する世論調査 | 平成14年度」
ただし,公表されたデータの中で比較できるのは,現在の30代,40代,50代である。
現在の20代以下は10年前のデータが不完全だし,60代以上は「60代以上」で纏められており,比較できない。
生年 | H14 | H24 | 改善 |
---|---|---|---|
1963-1972(現30代) | 26.9% | 44.3% | 17.4% |
1953-1962(現40代) | 25.1% | 45.0% | 19.9% |
1943-1952(現50代) | 22.9% | 38.1% | 15.2% |
生年 | H14 | H24 | 改善 |
---|---|---|---|
1963-1972(現30代) | 8.4% | 23.7% | 15.3% |
1953-1962(現40代) | 8.0% | 28.1% | 20.1% |
1943-1952(現50代) | 11.2% | 25.4% | 14.2% |
生年 | H14 | H24 | 改善 |
---|---|---|---|
1963-1972(現30代) | 39.6% | 35.4% | -4.2% |
1953-1962(現40代) | 41.1% | 44.3% | 3.2% |
1943-1952(現50代) | 49.4% | 44.6% | -4.8% |
以上を平均して改善率のようなものを算出すると,次のようになる。
年代 | 役不足 | 流棹 | 気置 | 平均 |
---|---|---|---|---|
現30代 | 17.4% | 15.3% | -4.2% | 9.5% |
現40代 | 19.9% | 20.1% | 3.2% | 14.4% |
現50代 | 15.2% | 14.2% | -4.8% | 8.2% |
それ(「噴飯もの」)に対する反応 「噴飯もの」って怒ってるときによく使うよね http://anond.hatelabo.jp/20130925160701 「噴飯物」を青空文庫から用例をいくつか引いてみた。 http://anond.hatelab...