進むべき場所や、着地点が、いつまでも、わからず。明日、これから、今、何をすべきか、わからず。ただ、情報を、右から左へ、受け流す。何を入れて、何を処理して、何を吐き出すか、わからず。ただ、目の前にあるのは、真っ白い原稿用紙。何かを書きつけるための、原稿用紙。でも、何を書けばいいかわからず。どこから手をつけていいか、わからず。
何をすべきかわからず。ただ何もできず。
ペンは机の上。音楽をつける。一曲が終わらないままに、次の曲に早送りする。いつも、二つ以上のことを、同時にこなそうとして、一つのことも出来ず、ただ、何も生まれず。そうやって生きてきた26年間が、とても無意味に思えて。それでも、何か出来ると自分に言い聞かせて。きっと自分は特別なんだと言い聞かせて。20年後に自分が何をやっているか、わからず、何もわからず。今日もまた、意味もなくインターネットを歩き回り、エロ動画を見つけ、自慰にふけ、また何ごともせずに、トイレに行って、寝るだけ。
何をすべきかわからず。ただ何もできず。
目の前にあるのは、沸いたお湯と、カップ麺と。一杯のビール。それだけ。ただそれだけを、飲んで、食べる。考えがめぐり、テレビをつけ、全てを忘れ。番組が終わり、5分間のニュースが始まると、全てが終わったような気がして、別の番組をやっているチャンネルに切り替え。何をすべきかわからず。ただ目の前の時間を食べる虫を眺め、食パンは干からび、粉をふき、カビが生えている。
何をすべきかわからず。ただ何もできず。
春が来て、夏が来て、秋が来て、冬が来る。何もやってないけれど、季節はめぐり、半周遅れでついて行く。何もできず、何をすべきかわからず。何かをしようと思っても、集中力がもたず、常に言い訳をして、次の言い訳を考えている。外に出れば何かが生まれると信じて、外に出て、夕焼けの下散歩をして、何かが生まれると信じて、夜が来て、家に帰る。音がほしくて、テレビをつけ、9時から始まって、何も生まれず、12時が来て、風呂に入り、また眠りにつく。
何をすべきかわからず。ただ何もできず。
空を見上げても、何も感じず、感じようと思っても、何も生まれず、また眠りにつく。
何をすべきかわからず。ただ何もできず。