2009-10-05

生命男子化学彼女生命世界を軽く紹介するための10コンセプト

まあどのくらいの数の異所属カップル誕生するかは別にして,「生命科学専門でもないが理系化学系の知識があり,生物にもそれなりに好奇心がある」ような人を想定してコンセプトを選択してみようと思う.(彼女を専門に引き込むというよりか自分の興味がこんなことなのだよと紹介する意味で.同じことを彼女にもしてもらうとよいかもしれない.)あくまでコミュニケーションとしてなので,あまり概念中にたくさんの専門用語がでてくることは避けたい.多くて半ダース.あといくら基礎だとはいっても,いきなり宇宙エネルギーのあり方で生命はその一形式だというそもそも論も避けたい.

彼女中学生物は大体覚えているが高校の生物は習っておらず,専門は理論化学よりの有機合成化学の学部生で頭は切れて時々おっちょこちょい生化学分子生物学には興味がないわけでない,というきわめて好都合な条件の下紹介すべき十概念を考えてみた.以下の順番はちょっとした思想配列として少し気を使ったがあからさまにそれを伝えなければいけないほどのものでもない.



遺伝子・転写・翻訳

まあ,いきなり大御所だがここははずせない.物質科学全盛の時代に生命科学もそこにアクセスする活路を切り開いたということで.ただここであまりの情報の蓄積を彼女にぶつけてしまうとうんざりさせてしまうかもしれない.素材自体が一級なのだから彼女の興味と質問とが誘起されるような語り口がよいと思う.


タンパク質の修飾・代謝マップ酵素の機能制御

生命科学系の学生が考えるに有機化学学生に受け入れられそうな概念(思い込んでいるだけ.実際は全然受け入れられない)」そのものという意見には半分賛成・半分反対なのだけれど,それを彼女にぶつけて確かめてみるには一番よさそうな素材なんじゃないのかな.

彼女酵素構造が機能と密接にかかわっていることは知っているだろうし,それを酵素分子機械で実現することの面白さをぶつけてみたり,代謝が全体として大きな制御システム回路のようなものになっていことをぶつけてみたり,その中で彼女生物特有の機構への興味が増せば儲けもの.


iPS細胞細胞創造生命起源

iPSはノーベル賞をとるといわれているし鉄板かな.案外作るために必要なことは制限酵素ウイルス遺伝子の挿入が本質でわかりやすく応用可能性も広い.

細胞創造生命起源の話はいままでの話よりはコアかなと思う.でも彼女有機合成が専門だし細胞を合成するという巨大なプロセスに興味をもってくれるかもしれないし,それが一回地球の表面でおこっただろうということはロマンだよな.地雷でもあるかもしれない.


システムバイオロジー

これはもう完全に僕の興味とスケベ心からで,マニアックすぎるかもしれないけれど,これからの生物学の方法としてかなり有力だし,分子数が多い細胞の中の各要素(components: DNA, RNA, Ribosomes, Electrolytes, water, cytoskeleton etc)間の関係性をシステムとして記述することの重要性と難しさとを語ってみたい.もし彼女が難しい素反応がたくさんある合成との類比で興味を抱いてくれるとよいのだけれどあまり深追いはできないな.


進化行動生態学におけるゲーム理論の簡単な例(ESS理論

そんなに新しくないし,フォンノイマンみたいな人が見たら不動点定理に過ぎないと怒り出すかもしれないが,線形で静的で平衡系が非線形で動的で非平衡の系のちょっとしたヒントになることと分子細胞・個体・生態のどのレベルでも同じような思考ができるというこれまでの話をちょっと豊かにする意味はある.遺伝子で始まり生態で終わるのも少し対比があってよいかと思う.ただこの話題には全然自信が無いからよければもっとぴったりするものを提案してほしい.

つづき:http://anond.hatelabo.jp/20091006002250

元ねた:http://anond.hatelabo.jp/20080721222220 

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