2022-07-03

1999年紀伊國屋書店における漫画撤去問題

出典: フリー百科事典ウィキペディアWikipedia

1999年紀伊國屋書店における漫画撤去問題とは、1999年児童ポルノ販売禁止されたことをきっかけに、紀伊國屋書店で成年向けマンガポルノにとどまらず、ヌードや性描写を含んだ一般向けの漫画までもが一時撤去された出来事である。過剰な自主規制の一例と指摘される。

概要

1999年児童買春児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童保護等に関する法律(以下、児童ポルノ禁止法)が施行され、児童ポルノ販売禁止されたことにより、各書店では児童ポルノに該当するおそれがある書籍雑誌などが撤去された。そんな中、紀伊國屋書店が各店舗に対して、児童ポルノ禁止施行にともなう注意事項を通達した。その中に、児童ポルノ禁止法の規制対象外であった漫画アニメーションも注意が必要な物の中に含まれていた[1][2]。

その結果、BLを含めた成年向けマンガだけでなく、『バガボンド』や『ベルセルク』、『あずみ』などのポルノグラフィではない、未成年ヌード描写や性描写を含んだ一般向け漫画が、一時的紀伊國屋書店から撤去される事態になった[3][4][5]。他にも山本直樹や『センチメントの季節』を初めとした榎本ナリコの一連の作品なども撤去された[6]。

あずみ』は1997年文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した作品であり、また『バガボンド』は2000年文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞、『ベルセルク』も2002年に第6回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞を受賞している。これらはいずれも芸術的価値が高いと評価された作品であった。

この影響はマンガだけにとどまらず、『本上まなみ写真集』などの有名タレント出版物撤去対象になった。売り場には「児童ポルノ禁止法が施行されました。当店は法律を順守します」という内容の張り紙が出され、この一連の撤去の影響は大手出版社を始め、数十社にも及んだ[6]。

https://ja.wikipedia.org/wiki/1999%E5%B9%B4%E3%81%AE%E7%B4%80%E4%BC%8A%E5%9C%8B%E5%B1%8B%E6%9B%B8%E5%BA%97%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E6%BC%AB%E7%94%BB%E6%92%A4%E5%8E%BB%E5%95%8F%E9%A1%8C

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