2021-10-13

anond:20211013144235

秦の始皇帝の命を受けた徐福は、不老不死の薬を求めて日本わたり

日本の各地には徐福暮らしたという伝承が残っている。冒頭で述べた新宮市徐福公園もその一つだ。ここには公園が整備される以前、江戸時代前期に紀州徳川藩初代の徳川頼宣の命でつくられた「秦徐福之墓」の碑が立っている


始皇帝も本気になった。徐福のいう三神山とは、蓬莱・方丈・瀛州(ほうらい・ほうじょう・えいしゅう)のこと。それは渤海の(遼東半島山東半島に挟まれ内海)の先にある神仙が住むとされた山のことである。さっそく徐福は命を受けて東の海へと出発した。その時には3000人の童男童女若い男女のこと)と百工(多くの技術者)と財宝に五穀の種子を詰めこんでいた。こうして船出した徐福一行が帰ってくることはなかった。「淮南衡山列伝」では、平原広沢(広い平野湿地)を得て王となったと記述されている。

この出来事紀元前219年頃のことと考えられている。日本ではようやく長い縄文時代が終わり弥生時代を迎えた頃である卑弥呼が登場するのは、ようやくこれから400年ほど後のこと。まだ日本には文字で記録されるような文明はなかった。そのためか『古事記』『日本書紀』には徐福に関する記述はない。

ただ不思議なことに古来より日本の各地には徐福暮らしたという伝承が残っている。冒頭で述べた新宮市徐福公園もその一つだ。ここには公園が整備される以前、江戸時代前期に紀州徳川藩初代の徳川頼宣の命でつくられた「秦徐福之墓」の碑が立っている。

20世紀後半まで伝説だと思われていた徐福

あくまで、伝承人物だったはずの徐福研究が活気づいたのは1990年代初頭からだった。長らく徐福は『史記』に記されながらも、存在疑問視されてきた。『史記』は歴史書として名高いが、一方で批判的な視点での読解が求められる書物である。なにしろ作者である司馬遷自分で見たり聞いたりしたことを書いているわけではない。徐福司馬遷の生きた時代からは100年あまりも前の人物である

史記』のほかに徐福記述がある史書は多かったが、話の荒唐無稽さもあって、あくま伝説上の人物という見方が強かった。

徐福上陸したと伝わる三重県波田

その認識が覆されたのは1982年のことである。当時『中華人民共和国地名辞典編纂に携わっていた徐州師範学院教授の羅其湘は江蘇省の連雲港市郊外に後徐阜村という地名があるのを見つけた。調べてみると、この村は清の初め頃までは徐福村と呼ばれていたのだという。

これを契機に秦・漢代の造船所跡などの遺跡も見つかり、にわか徐福実在性は高まったのである。今では、この村は廟も建てられ徐福生誕の地として観光地になっているという。

記事への反応 -
  • 紀元前3世紀ごろと言えば、 お隣の中国では『キングダム』よろしく秦が大陸統一して法も秩序も整ってたし、 ギリシア方面では『ヒストリエ』のエウメネスもとっくに死んでディアド...

    • 血は混ざってるだろうけど別に純粋な縄文人の子孫ってわけでもないからなぁ もしかしたら春秋戦国時代の武将の子孫かもしれないし。日本人ならその十分可能性はあるぞ

      • 百済とかならわかるけど、春秋戦国時代の武将って日本に渡ってきてるか?

        • 秦の始皇帝の命を受けた徐福は、不老不死の薬を求めて日本にわたり、 日本の各地には徐福が暮らしたという伝承が残っている。冒頭で述べた新宮市の徐福公園もその一つだ。ここには...

          • 徐福伝説か…どこまで信憑性あんのかよくわからん 『塗仏の宴』とか『地獄楽』は面白かったけどな

        • 「春秋戦国時代の武将」ではなく「春秋戦国時代の武将の子孫」だから漢人系の渡来人であればその可能性はあるんじゃないのか

    • いや紀元前3世紀ごろは弥生時代だろ

      • 縄文と弥生ははっきりした線引きがされているわけではないが、 紀元前3世紀ごろが過渡期としている説が多いと思う。 学校教育でも以下のように紀元前3世紀ごろまでが縄文、と教え...

        • ちゃんと調べてみたら縄文時代と弥生時代の区切りは紀元前10世紀~3世紀ごろまでで諸説あるんだね 学校で教えてるのが紀元前3世紀ごろってのは始めて知ったわ 一つ賢くなった、あり...

    • そんな大差のセーフティリードだったのに日本猿に経済負けてるギリシャローマってガイジなの?

    • ウヨの人に古代の話振ったらめちゃめちゃキレて怖かった

    • 現代もそれくらいの差が出来てる気がするわ。 未だにリニアも開通してないし。 中国なんか20年くらい前から走ってるぞ。

    • でも現代人、縄文土器作れないじゃん

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