脅迫や暴行がなくても、抵抗できる状態になければ強姦とおんなじやぞってのが準強姦なんだけど、その抵抗できない状態ってのがふたつあって、
・肉体的にリアクション不可能な場合(=寝てる、意識を失っている)
は概ね理解できると思うんだけど、心理的なほうがちょっと解釈難しい。結論から言うと「抵抗するための(社会通念上の)判断能力を持ち合わせていない状態」ってニュアンスなんだよな。
だから、頭が完全にイカれてるとか、教祖さまに洗脳されちゃってるとか、かなり特殊なケースしか適用できない。岡崎支部の場合、弟と一緒に寝たりとか逃げたりとかしてるから、抵抗するための判断能力はあるよねって認定。だから「準強姦としては」認められないんだろう。
むしろ普通に強姦が適用できそうな状況なんだけど、長年に渡って関係があったために、直近での明示的な証拠が揃えられなかったんだろね。あとは確実に罪に問うなら、準強姦ではなく児童福祉法違反のほうがよかった(刑は軽くなっちゃうけど)。
ちなみに実の子供とヤってた鬼畜の所業だから許せないってのは、それはそれで正しいのだけれど、新しくできた監護者性交等罪の方なら100%勝てるやつ。ただ、残念ながらこの事件がちょうど法律が変わったタイミングだったので、採用できなかったのは不幸。あと年齢要件も18歳以下なんで、これまたタイミング的に微妙(起訴時19歳)。だけど全体論で言えばこれに対応する立法はもう済んでいる。だから法律変えろとか裁判官を再教育してやれってのは的外れ。法律を変えるとしたら、監護者性交等罪の年齢要件なくして、保護関係にあれば認めるってのはあり得るだろうな。
要するに、この事件を準強姦でいくって決めた検察が無能だったってことなんだけど。殺人者を銀行強盗の罪で起訴しても、銀行強盗じゃないから無罪。ひとり殺しても100人殺しても銀行強盗の罪で起訴してる限り無罪。
イデオロギーに染まった価値判断に基づいて検察の能力を評価するのって非常にファシスト的でまったく賛成できない