昨年末実家に帰省した際、母が突然大金(1000万円)を請求してきた。
借りるのではない。よこせと言ってきた。
僕はびっくりして、そんな大金何に使うの?と聞いたら、
終の住処として家を新築するからと言う。もう契約も済ませたようだ。
冗談じゃない、何でそんな大きな契約するのに、人の金を当てにしてるんだ。
と苛立ちと焦りを隠せずに言うと、突然泣き崩れながら、母はこんなことを言った。
「ここまで育てたのは誰だと思っているの」
これを言われると何も言えなくなるのを母は知っている。
ある仕事についていたが、しばらくして結婚、僕が生まれた直後に離婚し、
スナックとか言われるようなところで働きながら、女手ひとつで僕を育ててきた。
あまり裕福とは言えない中、僕は試験でいい点数を取ることに関しては才能があったのか、
某国立大学に入り、卒業後は要領の良さだけで某有名企業に入社。
まあ、全てが順風満帆だったわけではないが、今の所、収入面では何の苦労もない。
確かに母には苦労をかけたのは知っている。金額になんか換算できないほどに。
だけど、突然1000万円くれ、と言われても、正直困ってしまう。
妻も子どももいるし、さすがにそんな大金、突然出すことはできないと言うと、
オロオロと泣き崩れながら、その言葉を繰り返す。
社長にまでなって、お金なんかいっぱいあるだろうに、なんて冷たい子どもなんだと。
あなたにとって親子関係の価値は、1000万円と言うはしたお金以下なのね、と。
あの事件があって以来、僕は母と話ができていない。
僕はどうすべきなんだろう。
渡す必要などない。 お前は親のATMではない。 育てた恩義を自分のワガママを通すために持ち出すのは親として失格だ。