昔に思ったこと。
客先常駐のレガシープロジェクトの維持開発に10年くらい従事した。
優しい先輩がいた。けどその人、優しいばっかで他人に強く言うことができない人だった。いいひとってマンガとかドラマとかあったけど、もういいひとの典型。出身地のお国柄なのか性格なのか育ちがいいのか、とにかく他人に敵意を向けるようなことは決してない人だった。
顧客にコンサル上がりの賢しいイケメンがいた。彼は何かある度に、オーバーアクションで先輩を呼びつけ”説教”した。実際学歴高かったし頭も良かったと思う。けど彼のその行動は純粋な理論というよりは感情的だと思ったし、なんというかポーズだと思った。自分はこんなに賢いんですよ、下請けがバカなんで教育してんですよ、自分は有用な人間です的なポーズ。
先輩はすごく人に気を使う人だけど、バカでは決してなかった。資格も上位の資格をいっぱい取ってる。忙しい業務状況でだ。がんばってたと思う。
私はそんな先輩になついていた。とはいえ、私も賢しいポーズしたがりなので、かわいらしい後輩では決してなかったと思うけど。
客先常駐のレガシープロジェクトの維持開発は、納期にしても要員にしてもいろいろ厳しい。なんかあるとつまづき、困難な状況に陥る。
そんなとき。心の中でつい思った。”○○さん(先輩)がもっとしっかりしてくれたら、こんなことにはならなかったのに”。
・・・責めるべき問題は他にいろいろあったと思うのに。プロマネにしても社内営業(上司)にしても、火事プロジェクトの責任というならそちらを責めるべきだろうに。自分は心の中で先輩を責めた。
いいひとな先輩にむかついて、怒りの矛先を向けて納得した自分がいた。
怒りの対象は弱くて優しい方に向く それはオマエが弱いからさ。