■OVER

彼女と別れた。

一応まる３年間付き合ったんだけど、彼女はまだ大学生だ。僕は社会人になってから５年くらい。

歳はわりと離れている方かな。それも悪かったのかも。

端的に言うと、飽きられたんだと思う。向こうはまだ若いし。

脳内ホルモンの関係とかで、人は同じ人を3年以上は好きになれないんだって。

恋愛感情だけで言えば、ね。

いつか飽きられるのは分かってた。そんな予感はあった。まだ遊びたい時期だろうし。

でも僕たちは将来の結婚もはっきりと口に出して約束していた。

そうすることでなんとか彼女を縛っておきたかったのかな。

でも結婚を強く望んでたのは向こうのほうなんだよ、最初は。

実は一度彼女を妊娠させてしまった。

彼女は産みたいって言ってくれたけど、親の反対やなんやかんやで結局おろした。

そのときから、僕はたとえ自分の人生を犠牲にしてでも彼女を幸せにしないといけないって強く思ってた。

今でもその気持ちは変わっていない。

でも、僕はだんだん彼女の気持ちが離れていくのを感じていた。

それが怖くて、別のことで彼女を責めて苦しませてしまった。

彼女の言った些細な嘘を取り上げ、その人間性を責めた。

結局僕は彼女に、僕と離れるきっかけを作って考える時間を与えたんだ。

どうすればよかったんだろう。

僕に一生付いていくだけの魅力がなかった、といえばそれまでなんだが。金もないし。

あとは、退屈だったんだろうな。確定した未来が。

僕は彼女にとって初めての男性で、僕の腕の中以外の世界を知らない。あんまり。

外の楽しげな世界をもっと見たかったんだろう。

未練がましいとか言われるだろうけど、そんな簡単には割り切れない。

僕は彼女に人生を捧げるつもりで生きた。

・・・うん、重いよね、やっぱり。

書いててなんで別れたかが分かった気がする。

もう今後誰かを愛することはないだろうし、愛したいとも思わない。

注いでも注いでも、返ってくることはないんだから。

彼女には幸せになってほしいと願う気持ちと、そうじゃないドス黒い思いとが半々。

でも、今まで一緒に居てくれてありがとう。一生分の幸せを感じることができた。

Permalink | 記事への反応(9) | 21:53

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