http://anond.hatelabo.jp/20080703185125
1部は、元の記事についての僕の意見。 【かなり長い】
2部は、家電量販店とスーパーマーケットの比較 【かなり短い】
3部は、カメラ屋が今後どうなっていくか、どうしなくてはいけないかについて 【短い】
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元の記事でid:fellfieldが言いたかったことは以下の4つらしい。
* 店とネットで配送料になぜ差があるのか、配送料をケチると皺寄せがどこに向かうのか考えていない
* 他人に及ぼす影響を考えれば、これはとても生活の知恵とかライフハックなどと言えない
* 不当廉売を助長する可能性について考えていない
* プリントアウトして値引きを迫る行為の卑しさについて
まず3つ目の「不当廉売を助長する可能性について考えていない」と言う行為については本当にその通りだろう。
しかし、果たして不当廉売だろうか?
家電量販店は、同じ商品でも小さなカメラ店の何十倍、何百倍という数を仕入れる。そのため、メーカ(問屋?)側は量が確保できている分、安く販売しているのだ。
つまり、小さなカメラ店では利益がマイナスになる値段でも、家電量販店にとってはマイナスにならない可能性が大いにあることを考えなくてはいけない。
(家電量販店とカメラ屋の仕入れ値の差を知りたい。恐らくかなりの差があるはずだ。)
次に4つ目の、「プリントアウトして値引きを迫る行為の卑しさについて」は、非常に主観的な問題だ。正直に言うと、僕はビビりもいいとこなので「値切る」という行為自体できない。
それが故に、自己正当化のために僕も「値引き行為」を卑しいと言っている。
だが、これは僕が言うところの「1人抜け駆け理論」を無視しているのだ。
>>「抜け駆け理論」とは社会主義が成り立つわけないことを証明する(と僕が思っている)理論で、
テスト前に「あー皆勉強しなければ点数ほとんど変わんなくていいのになー」と言うヤツがいたとしても、1人が抜け駆けした時点で相対的な差が生まれて成り立たなくなるアレだ。
中学、高校、大学で期末テストを経験したことがある人(つまり日本人ほぼ全員)が経験したことあるだろう。
(因みに社会主義は、逆に1人でも働かないやつが出ると崩壊する)<<
で、つまり「値引き行為が卑しい」と言っても、誰か1人が値引き成功した時点で、その人に対して相対的に損をしていることになる。
金銭的な価値を求めない人、若しくはカメラ代なんて屁でも無い人しか、「値引き行為をしない」ことに価値を見いだせないのだ。
さて、2つ目の「他人に及ぼす影響を考えれば、これはとても生活の知恵とかライフハックなどと言えない」
一体これは何なんだろうか?
テレビの普及はラジオのユーザを壊滅的に減らした。これは「テレビを見る」と言う「消費者の行動」が結果的にラジオに影響を与えたのではないか。
「ラジオの放送局の広告収入が減って、勤めてる人の給与が下がってしまうからラジオを聞き続けよう」と言うユーザがどれだけいたと思う?
ソフトバンクのユーザが増えてるのは何故だと思う? 機種に魅力があるからか? 違う、2年契約だとしても値段が魅力的に見えるからだよ。
それくらい、「消費者の行動」は影響力があるし、それを無視して商売をしてても儲からない。
とは言え、「生活の知恵」とか「ライフハック」って認識は確かに間違ってると思う。まー人それぞれの言葉の定義によるけれど。
さて、一番触れたかった1つ目の「店とネットで配送料になぜ差があるのか、配送料をケチると皺寄せがどこに向かうのか考えていない」について触れよう。
まず、「店とネットで配送料に何故差があるか考えてない」について。
はっきし言って、そんなこと考える必要ない。安い方買えばいいんだよ安い方。だってそうでしょ。同じものあって高いのと安いのがあったら普通安い方を買うもん。
ただ、「店とネットの違い」について考えると、「手元に届くまでの時間」に差がある。ネットだと2日??2週間くらいで、店なら最短で1分、もしくはそれ以下だ。
だから早く手に入れたい人は量販店で買うわけで、「早く手に入る」と言うインセンティブに料金を上乗せされてもあまり文句は言わなくてもいいんじゃないかなと思う。時間を金で買ってるわけだ。
つーわけで、id:fellfieldは、時間を金で買ってることについて言及してなかったけど、「値引きしないべき」に賛成。(とは言え、もちろん「1人抜け駆け理論」はここにも存在する。だから量販店が「配送料を引かない理由」を説明して値引きに応じないべきだろう)
次に、「配送料をケチると皺寄せがどこに向かうのか考えてない」と言う意見について。
超ロングタームで見ると、id:fellfieldの言ってることは正論。ただ現実的に考えると正論ではない。
最近十年間で全国のカメラ屋・写真屋(DPE店)は三分の二が潰れてしまった。少しでも安いほうへ、安いほうへと客が流れていくから、小さなところは真っ先になくなる。だけど最終的に市場が寡占状態になっていけば、商品は適正な価格では売られなくなる。こんなことは中学生でも解りそうな理屈だけど、少しでも安く買いたいといって自分で自分の首を絞めている。
このように、大量に安く商品を入荷できる量販店は-これまでの-町のカメラ屋を滅ぼしていくのは明白だ。
しかし、10年後、20年後の家電量販店は?
それは、信じられない量の商品を圧倒的な安さで仕入れるAmazonに破れる。
だが、Amazonは値段を上げることはできない。
それは、値段を上げれば他のECサイトに客を奪われるからだ。
昔は近くのカメラ屋、または量販店に行かなくては商品を買えなかった。しかし現代では、北海道から沖縄まで、どこの店の商品も、それがウェブ上で売られてる限り買えるのだ。さらに、クレジットカードを使えば、世界中のサイトから商品を買える。
円高ドル安が進めばアメリカから商品を買い、ユーロ安になればイギリスから商品を買う。そんなことができる時代だ。
最早、近所で同じ商品を売っている店だけが競争相手ではない。同じ商品を売っている世界中の店が競争相手なのだ。
だからAmazonが唯一の勝者になっても、そう易々と値段を下げることはできなくなる。
さて、スーパーマーケットと近所の酒屋について考えてみよう。
スーパーマーケットが圧倒的な安さでチューハイ、ビール等を入荷するから町の酒屋がどんどん潰れてる。
と言うのも、家電量販店と違って、急にお腹が空いたり、急に友達と飲みたくなったりするからだ。そんな時にAmazonで注文できるわけがない。何時間、何日も待ってられないからね。
そこが家電量販店と違うところ。パソコンもマッサージチェアも、液晶テレビも急に欲しくなって、週に数回店に足を運ぶことにはならないから。
こんな感じに、業種によってはこれまでの方法でも営業活動を続けることは可能だったりする。
これから、町のカメラ屋、家電量販店はどのような道を進むか、また進まなくてはいけないか。
まず、町のカメラ屋。これは量販店にもAmazonに価格で負けてしまう。価格で負けるならサービスで差別化を図るしかない。
例えば、SONY、富士通など、あるメーカ退職者が店に付き、そのメーカの製品だけを売る。そして、故障したパソコンが店に持ち込まれると、24時間以内に修理する。と言う形の、故障に関してのサービスに特化した店だ。
他にも、フリーソフトの紹介、使い方の説明など、より快適なPCライフを提供するPCライフコンサルタントのような店かもしれない。
カメラだったら、カメラ初心者向けの「雨天の写真講座」、「東京の夜景を上手く撮るには」などの、購入者向けに写真講座を開く店なんてのもアリだろう。
いずれにせよ、Amazon・家電量販店ではできない、その店ならではの強みを見つけて営業活動を続けるしかないのだ。
因みに、店の存在を認知させるためにはウェブを使うのが有効だろう。
次に、家庭量販店はショー(モデル?)ルーム化する。(と言うか既にしてる)
仮にAmazonが唯一の勝者になり、その他のECサイトが量販店の利益を圧迫したとしても、店頭で商品を確認したい人もいるし、マッサージチェアなんて量販店で確認しなきゃ良さは分からない。だから量販店はショールームと化していき、より大きな、より多くの商品が置いてある、ヨドバシアキバのような店だけが残っていく。
ヨドバシアキバに及ばない、ショールーム化した家電量販店が取るべき販売方法は、僕には思いつかない。
「販売方法」ではないが強いて挙げるなら2つ。
1つは入場料を取るショールーム。
2つ目は「カフェの中に家電がおいてある」ような感じだろうか。異業種の中にショールームを組み込ませるモデルになると思う。でもこれは、じゃあカフェだけでいいじゃんって話になってしまう。
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ここまで読んでくれた人ありがとう。
やっぱり人間、自己顕示欲が地味にあるモノで、自分のブログのアドレスを載せようかと思ったが、やめた。
指摘、ご意見を頂けるとありがたい。
id:fromdusktildawnのコメントが付くことを心の底で期待していたりする。分裂勘違い君劇場はおもしろい。(興味深いの意)
えーと、「抜け駆け理論」は「ゲーム理論」って一般的に言われてます。 でもその理論を教わらす自分で気付いたのは偉い!
「まだまだ俯瞰できない」書いた人です。 あー!それがゲーム理論だったんですね! 「ゲーム理論って何だよ」って思ってたんですが謎が氷解しました。ありがとうございます!
http://anond.hatelabo.jp/20080705000517 「抜け駆け理論」と「社会主義がダメな理由」をつなげているけど、これはちょっと違う。ここの問題を解決しようとするモチベーションがゲーム理論につ...
社会主義の方は、読み手(の感覚)が分かりやすい表現ってことで例を挙げた感じです。 流通か・・・確かに余り考えてませんでした。 現場を知らないので何とも言えませんが、Amazon...