はてなキーワード: 行動ターゲティングとは
IT業界は狭くて関係しそうな人に付き合いのある方もちらほらいるので、ここに書いておく。
「なにアツくなってんねん」と思わんといてください。
前からなんだかキモチ悪いな、と思っているサービスがある。
ある会社が展開している行動ターゲティング広告だ。
ページを見ている人の行動履歴からその人に適した広告を表示するというサービスなのだが、行動履歴の取得方法が不気味。
おそらくほぼ全ての人が 【自分の行動履歴が取得されている】 とは知らずに広告が表示されているのである。
ブラウザの「バグ」を突いたようなやり方を使っており、ユーザの知らないところで「過去の訪問履歴」を取得しているのだ。
行動ターゲティング広告はどこまで許されるのか
カンタンに言ってしまうと、ユーザの目に見えない所に大量のリンクを張ったコードを埋め込み、過去に訪問したかどうかを取得している。
つまりユーザの全ての履歴を取得できるのではなく、リンクを張ったサイトの訪問履歴しか取得することはできない。
これらの行動ターゲティング広告が、どこのサイトの履歴を取っているのか実に気になっていたのだが、昨日、高木浩光さんのブログでそのリンク先を知る方法が明らかになった。
楽天ad4Uの隠しリンクを露出させるユーザスタイルシート
ブログの記事では楽天の広告が紹介されているが、Livedoorでもほぼ同じ広告が使われている。
高木さんのCSSをちょっといじって「replace」の辺りを変更すれば、リンク先のhtmlをまとめて確認することが可能だ。
今回は、Livedoorに張り付いていたある広告を調べてみた。
リンクの数、なんと8474個!?
まずはリンクの総数だ。その数はなんと 8474 もある。
上述の通り、そのユーザの過去の訪問履歴を全て取得できるのではなく、リンクを張った中に訪問済みサイトがあるかどうかを調べる仕組みだから大量のリンクを送り込む必要がある。それにしても多い。
さらに驚いたのが、サイトへのリンクだけではなく Yahoo! や Google での検索クエリもたくさんあることだ。
検索クエリというのは、サーチエンジンで検索する際に発行されるURLだと思えば良い。つまり、訪問済みのサイトを調べるだけではなく、どのワードで検索しているのかまでも調べているようだ。
実に細かいワード単位でリンクが張ってあり、「ローン」や「保険」など広告需要が高そうな単語から、「○○学校」などかなり細かくセグメントされたキーワードまでもある。
「ダイエット」というワードもあるので、こうした言葉や訪問サイトを組み合わせれば性別や年齢層もある程度は絞り込まれてしまう。
今のところは、こうして得られた行動履歴データはローカル側で処理されていてサーバには情報が蓄積されていないようだが、今後どうなるかはわからない。
広告そのものを否定するつもりはなく、自分と全く関係ない広告が表示されるぐらいなら興味関心のありそうな広告が表示されるのはむしろ歓迎だ。
しかし、ユーザの知らないところでソフトウェアのバグをついたような仕組みを使って、過去の訪問サイトや検索キーワードまで調べているのは正直、良い印象は持てない…