2023-09-23

セダンに憧れがある。

カクカクの、凸型の、ザ・セダンって感じのやつ。車と言えばセダンだと思っていた。

おれのガキの頃に道ではどんな車が走っていたか覚えてない。当時から既にあんまり走っていなかったかもしれない。それでも車の絵を描くといったら迷わず凸型のやつだったと思う。

ファミリーカーはずっとワゴンSUVだった。こんなもんは車じゃねえだろと思ってた。老害が口にするような比喩じゃなくて、自分イメージする「車」像と合っていなくて本当にそう思ってた。

街乗りでの運転のしやすさがどうのとか、積載がどうのとか、そういうのは大人や親の理屈であって子供理屈じゃない。

実際にセダンに乗った人たちは、その経験の上で不便さを知って、いわゆるファミリーカーの素晴らしさに納得しているのかもしれない。でもそれはその人達の納得であっておれの納得ではない。

おれは自分ちの車に全く魅力に感じなかった。スライドドアをなんとなくダサく感じた。座席部分とトランク独立してるのがかっこよく思えた。

最近じゃセダンといったって曲線形のシュッたしたやつで、ハッチバックと似たような感じだったりもする。カクカクのセダンなんてタクシーくらいしか見かけない。タクシーすらミニバンが増えてる。

滅びゆく車なんだろうけど、だからこそ、一度くらい乗ってみたいなあって思う。

一生「ああアレ乗ってみたかったな」という思いを引きずるのは嫌だ。よしんば乗ってみてこれは違うなと思っても、それはそれで自分なりの納得を得られる。

クーペもかっこいいけどね。カフェレーサーの車版って感じがする。フェアレディマスタングいすゞのやつしか知らんけど。

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