家で両親が不仲だった、みたいな問題はあったはあったが、そんなものは言い訳だ。
学校で友達に意地悪されて泣き叫んだことは一度や二度じゃない。学校に親が呼び出されたことも。
お願いだから自分の思ったことをそのまま周りの人に言わないで、感情を抑えて、といわれて泣いた。さすがにその姿は、私にも堪えた。
以来、インターネットで別世界の自分を演じられるようになったりしたのもあり、私は自分の感情をそう大きく動かさなくてよくなってきた。
本音を出さないと、周りの人はこんなに喜んでくれるんだ、と驚いた。
しかしだ。
自分を上手に殺せるようになっても、子供みたいな意地悪をしてくる人間は未だにいる。
子供の頃だったら手近なものを全部投げつけて泣いて騒いで掴みかかっていたような相手も、少なくない。
なのに私はうまいことヘラヘラ笑って、そのあと「あの頃の私を出してやればよかったのに」と思ってしまう。
0か100かしかない。
きっとこれからも、自分の本音、そこまでいかなくても自分の希望を小さく主張していくのは難しいだろう。
私は、ある程度きちんと大人になることができた。傷害罪で逮捕されることもないだろう。しかし、一生生きづらいのだと思う。
せめて、母を悲しませないように生きていきたい。