かつてスイス国立銀行(中央銀行)の総裁を務めたヒルデブラント氏は、世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)が開催されているダボスで行われたブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「率直に言って、年内緩和の可能性は全くないと私は思う。これについての市場の見方は誤っているだろう」と述べた。
ヒルデブラント氏はインフレ率が数十年ぶりの高水準から急低下すると予想するが、世界の中銀はインフレ率を2%へと抑え込み、物価上昇予想を決して再燃させないよう取り組むだろうとも語った。「見られるとしたらせいぜい、ある種の一時休止だろうが、今はそれもまだだ」と述べた。
同氏は「かつての大いなる安定期には、インフレを抑制しても、それ以外は順調だった。今はインフレを制御することは、実体経済にダメージを与えなくてはならずリセッション(景気後退)を引き起こすことを意味する。これは回避できない」と説明。「物価安定を取り戻すことは本質的にリセッションを伴う」と指摘した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-16/ROKRF7DWLU6801