原因はたぶんあれだ、
今から30年位前、一人暮らしの学生生活を送っていた私に母が羽根布団を送って来た。
だって布団の隅が透明なビニールで中身が見えるようになっていてそこだけは柔らかいダウンだけど、他はフェザーなんだもん。
当然寝心地は最悪。羽根が突き出てくんのよ、赤い羽根共同募金みたいな羽根を小さくしたようなやつがさあ!客に見せる展示サンプル用の布団だよ、コレ!
当時もこれは売り物ではないんじゃないかと思って母に言ってみたりもしたけど「そんなはずない!高かったんだから!」の一点張り。
高価な服を溢れるほどにバンバン買って買い物中毒な母がその店でもカモになってるのはわかったが、母子の会話もほとんどない歪な関係だったので
あーそうですか、と私は黙って布団はしまい込み、以来羽根布団を一切拒否するようになったのだった。
ちゃんとした羽毛布団はいい物なんだろうとは思うけどなんせほぼ新品のままのアレがしまったままクローゼットの片隅に置いてあるので
買おうかなあと思うたびそれを差し置いて買ってしまっていいのだろうかと悩んでしまい…
なんと30年だよ!
自分でも信じられないよ!
私に呪いをかけた布団は何度か転居した後も湿気の酷いクローゼットの最奥にしまい込まれたままで未だにある。
…いいかげん捨てよ。
想像つかないから見てみたい