■犯罪者にとって「秘密」とは最高のステーキ
たとえば、同僚が使っているロッカー。
番号式のロックがある。
この番号を知ること、かぎつけること、暴くこと、犯罪者にとってこれ以上の美食はない。
ハイエナがうまそうに屍肉に食らいつくのと同じ。
もし「秘密」がない、まともな人間だったらつまらない。
犯罪者の人生とは、「仲間」を探し当て、世の中の治安を乱すことが最終目的だからだ。
仲間とはもちろん、「心にうしろめたいもの」を持った人間である。
番号式のロックや、PCのパスワード。
これらはそういう仕組みである以上、「秘密」を必要とする。
つまり、犯罪者にとってほぼ唯一の、
「一般市民とふれあえる場所」なのである。
この秘密を通じて、自分の存在意義を確かめることができる。
「ああ、このために生まれてきたんだ」と思える。
つまり他人の秘密とは、彼らにとって最高のステーキであり、人生を満腹にするためのライフハックなのである。
ハイエナがサバンナで屍を食らい、むさぼりついている時、
「ああ、生きている!」と感じるだろう。
あれと全く同じである。
「三度の飯より、他人の秘密」
とは犯罪者にとっての人生を見事に表した言葉といえるだろう。