この数字は単純に他人と比較が出来てしまう。多い方がいいと思い込んでしまう。
それだけならまだいいが、さらに進んで少ないのは悪いという意識まで招いてしまう。
それは新しい人類悪だ。
他人同士を勝手に比べて少ないほうが劣っていると断じてしまう悪。
それは、人間の価値を限りなく単純化する世界だ。そこで数字のないもの、劣っているもの、価値のないものは差別されるようになる。
人類は皆平等であるという考えが発見され、それが私たちを前に進めて来たのに、この数字が浮かび上がらせる悪はそれを逆行させようとしている。
しかしそれを避ける術はあるはずだ。
私たち皆が数字に直面させられているのだから、全員が数字について考えることができる。
そこで人びとが数字が見せる良し悪しの幻想を見抜けるのなら、この悪は力を失くすはずなのだ。
我々は賢いので、この悪を打ち倒せるはずなのだ。
原始人だって獲物の数を競ってたと思うが