芸術にも歴史や文脈があり、その流れをぶった切って原点を標榜するものがパクリ。過去の歴史の積み重ねに、先人の仕事に敬意を払わないものがパクリとして糾弾される。
オマージュ、リスペクト、パロディ、フォロワー、インスパイアは歴史を紡いでいく。
庵野世代は「俺たちはコピーでしかない」という問題意識を抱えていたが、彼らはコピーではなくフォロワーだったので、次の地平を切り開くことができた。現代はマンガ・アニメも芸術としてかなり熟してきたので守破離の守が非常に長く厚くなっており、破離に到達する難易度が爆上がりしているが故の苦悩だったというわけだ。この傾向は今後もインフレする一方なので、作家はさっさと自分が誰のフォロワーであるかを表明してしまうのがクレバーな立ち回りになるかもしれない。その究極は徒弟制度なんだけど。