2021-08-16

「B専」

B専という言葉があるが、俺がそれに該当するかどうかはわからない。

ブスだから好きというわけではない。

俺には可愛く見えているが、どうやら他の人から見るとブスということが多い。

美的感覚他人と違うのだろう。

そんな俺に可愛いと言われても嬉しいかはわからないが、とにかく可愛いと思ったら可愛いと言う。

食べ物を美味しいと感じるかどうかは、食べる人の味覚次第である

それと同じで、相手可愛いかブスかを決めるのは俺の主観なのだ

俺が「可愛い」と言うと、大抵の子は「私はブスだから」と言った。

「俺にとっては可愛いけど」

そう言うと、喜んでくれる子もいれば、微妙な顔をする子もいた。

けれど、このケースは初めてだった。

「私がブスかどうかは私が決める」

言われた瞬間、不思議感覚に囚われた。

同じ音楽を聴いても、何度も聴きたくなるほど好きという人もいれば、耳障りに感じる人もいるだろう。

多数派・少数派はあれど、曲自体判断聴く側に委ねるものである

もちろん、相手感情を持った人間なので、食べ物音楽と同じにしてはいけないだろう。

しかし、可愛いと感じる俺の感性は、そこまで否定されるべきものなのだろうか。

結局その子には、俺にとっては可愛いのだということを理解してもらえなかった。

「私がブスかどうかは私が決める」

一体何がそれほどまで、彼女の心を頑なにさせたのか。

俺には最後までわからなかった。

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