B専という言葉があるが、俺がそれに該当するかどうかはわからない。
ブスだから好きというわけではない。
俺には可愛く見えているが、どうやら他の人から見るとブスということが多い。
そんな俺に可愛いと言われても嬉しいかはわからないが、とにかく可愛いと思ったら可愛いと言う。
食べ物を美味しいと感じるかどうかは、食べる人の味覚次第である。
それと同じで、相手が可愛いかブスかを決めるのは俺の主観なのだ。
俺が「可愛い」と言うと、大抵の子は「私はブスだから」と言った。
「俺にとっては可愛いけど」
そう言うと、喜んでくれる子もいれば、微妙な顔をする子もいた。
けれど、このケースは初めてだった。
「私がブスかどうかは私が決める」
同じ音楽を聴いても、何度も聴きたくなるほど好きという人もいれば、耳障りに感じる人もいるだろう。
多数派・少数派はあれど、曲自体は判断を聴く側に委ねるものである。
もちろん、相手は感情を持った人間なので、食べ物や音楽と同じにしてはいけないだろう。
しかし、可愛いと感じる俺の感性は、そこまで否定されるべきものなのだろうか。
結局その子には、俺にとっては可愛いのだということを理解してもらえなかった。
「私がブスかどうかは私が決める」
一体何がそれほどまで、彼女の心を頑なにさせたのか。