2021-07-14

こげくさくて、うまい

身近に「自分が気に入ったもの」を褒める時、「類似の違う種類のもの」を貶して、

「こっちのこういうダメなところがない、だからいい!」という褒め方を頻繁にする人がいて、

常々「好きなものを褒めればいいだけなのに、別のものを貶す必要性あったんか……?」と思っていたんだが、ある日気がついてしまった

その人は団子を食べていて、それは気に入った店の団子のようだった

から褒めようとしたんだと思う

だが出てきた言葉は「こげくさい」だった

「こげくさくて、うまい」と

は?と思った自分は「香ばしい」と言いたかったのかと聞いて、本人は「ああ、そう、そう」と頷いた

言葉が出てこなかった」と笑っていた

そうか

普段のものを貶すことで、『褒める』を行っているから、「自分が感じた良さそのまま」を表現する語彙がスッと出てこない」のだ

脳の中で、貶し言葉の方が手前にあって、それが口から出てしま

これは恐ろしいことだと思った

もしこれを「褒めようとした誰か」の前でやってしまったら、不快な思いをさせてしま

「良いと感じた」という意図がまるで伝わらない コミニュケーションにおける大失敗だ

しかも、普段さない様な人だったら、その誤解が一生解けないかもしれない

自分が「褒めたい」と思うような人と、すれ違って決裂してしま

「団子こげくさい」の本人が、然程深刻に捉えていないのが輪をかけて恐ろしかった

今まで「別の何かを貶しながら支持を表明する感想」は、その時その時に「どういう言葉を選ぶか」の問題と思っていたが違う

「選ぶ言葉」というのは習慣であり、「訓練の成果」なのだ

から普段から自分が思う良いものの良さ」をストレート表現する練習をしておかないとやばい

人との会話でなくてもいい、日記でもいい、とにかく「アゲる」表現を、語彙を使って、自分の「手持ちのカード」にしておかないと

咄嗟に出てこない

本当に使いたい言葉が、本当に使いたい時に出てこなくなってしま

自分も気をつけないと、と身震いする思いだった

から褒めようと思う


ねこ、すごくかわいい

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