実家には、昔から使っている猫の爪研ぎのホルダー(段ボール製の爪研ぎのリフィルを装着して使うプラスチックのやつ)があった。
おそらくその辺のホームセンターで買ってきたであろうなんの変哲もない品であるが、今までいろんな猫に使われてきた。
私が幼児の時に親戚から貰った猫。キジトラで、大人しかった。車に轢かれて死んでしまった(昔なので放し飼いされてた)。
前述の猫の娘の猫。母に似ず、シャム系で大人しくてクールな子だった。20年くらい生きて亡くなった。
妹が小学生の時に拾ってきた猫。純然たる野良猫だが、長毛で高そうな雰囲気だった。名前を呼ぶと返事をする賢い子だった。18歳くらいで亡くなった。
長毛の子が亡くなってから、親も高齢なのでもう猫は飼わないと言ってた。私はうっすらと、あの爪研ぎホルダーも捨てたのかな?なんて考えていた。
…が、
去年帰省すると、その爪研ぎで、小さな毛玉が爪を研いでいた。ひょんなことから、保護猫を貰って飼うことになったのだ。初対面の私を出会って3秒で噛もうとしたワイルドな子猫だが、意外に几帳面な一面もあるようで、段ボールの感触を確かめるように丁寧に爪を研いでいた。
もう猫を飼うつもりはない、と豪語していたのに、爪研ぎホルダーを捨てていなかったことが嬉しかったし、また新しい猫に愛用されてよかったと思った。
保護猫って老人だと断られるとかいうけど貰えてよかったね。いざというときは子供が面倒見ますんで...とか言ったのかな。
こういう話を共有してくれてありがとうございます。優しい気持ちになりました。