隣の女子はどうでも良いやつだった。だからボラギノールと一緒に座席になすり付けてた。
運転手だった担任のヨシコが「この間、畳に汚物なすりつけた人が居たみたいでね〜」などと話し始めた。
犯人探しが始まった。
もしかしてお前じゃないのか?と詰問されて、返答に窮した。
自分は流石に畳を汚す程落ちぶれちゃいない。
だけど、普段の自分は鼻くそなすりつけるし、衛生観念が低い方だと言う自覚があった。
言葉を濁していると後方の席に座っていたガキ大将が「最低だな!!」と言い放ったので居た堪れなくなって、バスを降りようとした。
自分の事なんて、まるで見えていないみたいだ。
だけど部活のメンバーは何故か側に居てくれた。彼女は手に持っていた茶色いアイラインを渡してくれた。
凄く懐かしくて、悲しくて、やるせなくて、その優しさに涙が出てしまった。
これが弱者男性ってやつか…